May 2013: Myanmar

1)10紙に日刊紙発行の許可
2)インドネシア・ジャカルタでのミャンマー大使館爆破未遂
3)政治囚釈放
4)テイン・セイン大統領訪米
5)ラカイン州政府、イスラム教徒に子供2人までの産児制限
6)安倍首相ミャンマー訪問
7)政府とカチン軍との和平構築で合意
8)仏教徒とイスラム教徒の衝突が再燃 

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1)10紙に日刊紙発行の許可

 ミャンマー情報省は、4月30日付けで、新たに10紙に日刊紙発行の許可を与えた。これで、許可を得た日刊紙は計26紙となった。

http://www.irrawaddy.org/archives/33462
http://www.mizzima.com/news/media/9301-10-more-dailies-issued-licenses

2)インドネシア・ジャカルタでのミャンマー大使館爆破未遂

 5月2日、インドネシア警察の対テロ対策部隊は、ジャカルタのミャンマー大使館爆破未遂に関与したとして、男2人を逮捕、5個のパイプ爆弾を押収した。これを受け、インドネシアのイスラム過激派グループ指導者Abu Bakar Bashirが、ミャンマー・ラカイン州でのイスラム教徒と仏教徒の紛争に関し、「ジハード(聖戦)」を呼びかけた。

3日には、多数のイスラム教徒が同大使館前に集まり、デモ行動を行った。

同月8日、インドネシア警察当局は、ミャンマー大使館爆破計画を立てた疑いで、中部・西ジャワ州などで捜索を行った。一連の捜索では、グループと警察との銃撃戦で、7人が死亡した。

http://www.irrawaddy.org/archives/33624
http://www.irrawaddy.org/archives/33729
http://www.irrawaddy.org/archives/34095
http://www.mizzima.com/news/regional/9319-7-suspected-myanmar-embassy-plotters-killed-in-java 

3)政治囚釈放

 5月17日、テイン・セイン大統領は、受刑者23人を恩赦で釈放した。同大統領の訪米を控えての恩赦とみられる。88年学生世代グループは、23人の内、政治囚は21人としている。全ビルマ学生民主戦線(ABSDF)のメンバー5人も釈放された。

 釈放された受刑者は、インセイン、マンダレー、タラワディー、ラショーなどの刑務所に収監されていた。

http://www.mizzima.com/news/myanmar/9338-20-political-prisoners-released-says-support-group
http://www.irrawaddy.org/archives/34790

4)テイン・セイン大統領訪米

 5月20日、テイン・セイン大統領はアメリカ・ワシントンのホワイトハウスでオバマ大統領と会談した。テイン・セイン大統領は2012年9月、国連総会出席のためニューヨークを訪れているが、ミャンマー国家元首の公式訪米は、1966年のネ・ウィン元大統領以来47年ぶり。これに先立つ2日、米国務省は、軍事政権時代に発動していた政府関係者らへのビザ発給停止措置を一部解除した。

 会談で、両大統領は、政治・経済改革などについて意見交換。オバマ大統領は、テイン・セイン大統領が進めている改革を評価、今後も後押しするとした。

  一方でオバマ大統領は、イスラム教徒と仏教徒間の衝突に懸念を表明、暴力停止を促した。その後、テイン・セイン大統領は、ジョンズ・ホプキンス大学で講演、少数民族との停戦が近いとの見通しや、暴力行為のない公正な社会実現への努力を表明した。同大統領は、米財界首脳らとの夕食会にも出席、ミャンマーへの投資を呼びかけた。

http://www.irrawaddy.org/archives/35072
http://www.mizzima.com/news-91481/prisoner-watch/9384-obama-lauds-thein-sein-s-leadership
http://www.irrawaddy.org/archives/35056
http://www.irrawaddy.org/archives/35131

5)ラカイン州政府、イスラム教徒に子供2人までの産児制限

5月26日、ラカイン州地元当局は、同州のマウンドー、ブーティダウン両地区に住むロヒンギャ民族に対し、軍政時代に導入された一夫多妻制禁止と、子供は2人までとする産児制限を改めて適用する方針を示した。Human Rights Watchによると、この政策は、2005年に導入された。両地区は、いずれも住民の大半がイスラム教徒。

ラカイン州では、2012年からイスラム教徒と仏教徒の衝突が頻発。調査している政府委員会が2013年4月、「緊張の高まりは、この地域でのイスラム教徒の人口急増が原因」などと指摘、家族計画の導入を提言した。産児制限に対しては、国際社会からは懸念や批判が相次ぎ、野党・国民民主連盟(NLD)党首のアウンサン・スー・チー氏も「差別的。人権に反する」としている。

http://www.hrw.org/ja/news/2013/05/28
http://www.mizzima.com/news/myanmar/9347-rohingya-2-child-policy-enforced-by-rakhine-govt
http://www.mizzima.com/news/myanmar/9349-suu-kyi-slams-rohingya-2-child-policy

6)安倍首相ミャンマー訪問

5月24日から26日まで、安倍首相がミャンマーを訪問した。日本の首相としては36年ぶりの訪問。首相は滞在中、テイン・セイン大統領やアウン・サン・スー・チー氏と会談。大統領との会談では、13年度中に、円借款510億円、無償資金・技術協力400億円の計910億円のODAを実施する考えを伝えた。また両首脳は、人的・文化的交流の促進でも一致した。アウン・サン・スー・チー氏との会談では、「官民挙げてミャンマーの国造りを応援する」などと述べた。

http://www.mizzima.com/news-91481/prisoner-watch/9385-japan-offers-massive-development-package
http://www.mofa.go.jp/mofaj/kaidan/page3_000186.html
http://mainichi.jp/select/news/20130527ddm001010074000c.html

7)政府とカチン軍との和平構築で合意

 カチン民族のKIO(カチン独立機構)とミャンマー政府との和平交渉が5月28日、カチン州の州都ミッチーナーで始まった。交渉には、国連事務総長の特別顧問Vijay Nambia氏もオブザーバーとして出席したほか、他の少数民族8組織代表者も同席した。

 3日間の交渉では、公式な停戦には至らなかったものの、最終日の30日、北部ビルマでの緊張緩和と和平構築に向け、政治的対話の開始、共同監視委員会の設立など7項目についての協定を締結した。

http://www.irrawaddy.org/archives/35867
http://www.irrawaddy.org/archives/36003
http://www.mizzima.com/news/ethnic-issues/9442-kio-reluctant-to-sign-ceasefire
http://www.mizzima.com/news/ethnic-issues/9443-myanmar-govt-and-kio-sign-7-point-agreement

8)仏教徒とイスラム教徒の衝突が再燃

 5月28日午後、ミャンマー北部シャン州ラショーで仏教徒とイスラム教徒が衝突。複数の死傷者が出た。

 48歳のイスラム教徒の男がガソリンを販売する仏教徒の女性に火をつけた話が広がり、これに怒った仏教徒がイスラム教のモスクや店舗、家屋などに放火した。29日の夜には、中部のバゴー管区でもモスクが壊された。

両宗教間対立は、昨年起こったラカイン州での衝突がきっかけで断続的に続き、今年3月には、中部のメイッティーラに飛び火、少なくとも43人が死亡した。4月30日には、ヤンゴン近郊のOakkanでも起こり、1人が死亡、9人が負傷した。

http://www.irrawaddy.org/archives/35705
http://www.irrawaddy.org/archives/35984
http://www.mizzima.com/news/myanmar/9438-religious-riots-in-lashio-turn-deadly
http://www.mizzima.com/news/myanmar/9297-anti-muslim-riot-erupts-in-oakkan
http://www.irrawaddy.org/archives/33390 

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註:上記内容は、下記ミャンマーニュースWEBサイトのほか、随時、日本のメディア、ミャンマー関係団体等のサイトも参考に、筆者がまとめた。

文中には主なリンク先のみ挿入した。

Democratic voice of Burma(http://english.dvb.no/
The Irrawady (http://www.irrawaddy.org/)
Mizzima (http://www.mizzima.com/index.php)
BBC(Burmese) (http://www.bbc.co.uk/burmese/burma/)
VOA(Burmese) (http://burmese.voanews.com/)
RFA(Burmese) (http://www.rfa.org/burmese/)

モニター:山本一恵(ミャンマー在住)
May 2013

協力:Myat Thu