June 2015: Myanmar

1) アウンサンスーチー氏、中国を初公式訪問
2) CLMV, ACMECS会議
3) ロキーラ会議開催、全土停戦調整チーム(NCCT)解散へ
4) コーカン武装勢力が、戦闘停止を宣言
5) 中緬国境地域にて、中国軍が軍事演習を実施
6) 難民として保護されたバングラデシュ人を本国へ送還
7) 憲法改正法案、議会審議へ。修正は否決
8) NLD中央委員会開催
9) 国民教育法改正修正案、議会にて可決

1) アウンサンスーチー氏、中国を初公式訪問

NLD議長のアウンサンスーチー氏が初めて中国を公式訪問した。同氏は、中国共産党からの正式な招待を受け、10日から14日にかけて中国・北京を訪れた。11日には習近平国家主席と会談し、長期戦略的にも中緬両国の関係は今後も変わることなく、友好関係をより発展させていくことを確認した。習国家主席は、中国共産党としてNLDとの関係も重視しており、両国の良好な関係のための基盤構築をしていきたいと述べた。スーチー氏も、周辺国である中国との関係は重要であり、同国において長年政権を握ってきた共産党に敬意を示し、同党との友好な関係構築をNLDとしても重視していると伝えた。

今回のスーチー氏の中国訪問には、中国側としては近年欧米を含む他国との関係構築に乗り出すミャンマーに対する中国の影響力を回復させたいというねらいがあり、さらにスーチー氏との会談を政治的に有利に活用していきたいという思惑がある。スーチー氏は軍政時代には自宅軟禁を強いられていたため、中国政府とのこれまでの関係は希薄であり、今回が初めての公式訪問となる。

スーチー氏は中国政府高官や要人との会談も行い、協議では、ミャンマー中央政府とコーカン武装組織の交戦が続く両国国境地域の平和の醸成が主な論点の一つとなった。中国側からは、中国政府として中緬国境地域の秩序安定への強い要請と、ミャンマーでの民主的な総選挙の実施を強く望んでいると発表された。中国訪問後には、報道陣に対して今回の訪問は満足のいくものであったとスーチー氏は感想を述べた。

7Day Daily—
  No. 762, June 12, 2015
Democracy Today—
  June 12, 2015. Vol.2, No.153

2) CLMV, ACMECS会議

6月23日から、アセアンの後発4カ国であるカンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナムの四カ国(CLMV)による第7回CLMV首脳会議が開始された。各国主席が出席した本サミットは2004年から毎年開催されており、特に今年はアセアン経済共同体発足の年であることから、CLMV国間の各地域の社会、経済における連携を高め、各地域の経済発展と人々の生活向上のためという目的のために開催された。貿易の円滑化をすすめ、各国がこれを尊重し努力して取り組むよう述べられた。同会議に合わせて共同声明も発表された。同声明文では、大メコン圏を中心に計画されている大メコン経済回廊の実現、農業・工業・製造業などの産業発展と関連研究の促進、人材開発のために各国間での留学・教育支援、観光業における各国間の交通の簡素化、などの面において相互協力を継続していく旨が発表された。各国間の交換留学制度に関しては、先月にベトナムへの交換留学への支援をラオスとミャンマー政府が既に決定しており、今後、同様の措置が各国間で取られていく見通し。

翌日の24日には、第6回エーヤワディ・チャオプラヤー・メコン経済協力戦略会議(ACMECS)が開催された。本会議にはタイ・ミャンマー・ラオス・カンボジア・ベトナムの五カ国首脳が出席し、今年末に設立されるアセアン経済共同体にむけて相互協力の継続を目指し、アセアン諸国間の発展格差是正を目指すことが確認された。大メコン圏における経済関係の促進を目指す同会議において、経済回廊実現に向けてミャンマー国内での外資による投資を促進し優先させること、国内で両替可能な外貨としてタイバーツの導入を検討していることがACMECS合同経済議長のウィンアウン氏から説明された。タイ・ミャンマー国境を越えた物流網を確立するため、国境地域での投資事業をさらに支援していくことも併せて説明された。その他、五カ国間における観光業活性化のために、各国間の旅行を容易にする「ACMECSシングル・ビザ計画」が提案された。査証なしでの入出国制度は既にタイ・カンボジア間で運用が開始されており、同様の措置をACMECS地域全体に拡大するねらいがある。

Myanmar Alin—
  Vol. 54, No.261, June 23, 2015
  No. 262, June 24, 2015

3) ロキーラ会議開催、全土停戦調整チーム(NCCT)解散へ

今月2日から8日にかけて、カレン州ロキーラにおいて少数民族勢力組織によるNCCT代表者会議が開催された。先月に開催されたパンサン会議後に引き続いての開催となる。同会議に不参加の少数民族勢力からの不満や、依然として交戦状態にある武装組織らのNCCT脱退の意志が表明されたことを受け、各少数民族グループ全体の合意形成を得るために再度代表者会議が開催された。ロキーラ会議には17の少数民族武装グループの代表者が出席した。

同会議での協議の結果、停戦合意草案の項目を修正する必要があると決議された。一部の少数民族組織は、「政府側との合意内容に含まれる、民主主義的かつ連邦制国家の建設は、(停戦に至った少数民族武装勢力に対する)十分な保障がなされた連邦国家をつくるという、これまでの政治対話の成果に基づいている。パンサン会議での決議を検討すると、この政治対話の結果に十分に基づいているとはいえない」と説明している。停戦合意協定草案には、戦闘行為に関する行動規範(Military code of conduct)や合同監視委員会(joint monitoring committee)に関する項目は含まれておらず、引き続き政治会談を行なっていく必要があると発表された。

さらに、ロキーラ会議最終日には、NCCTを解散し新たな少数民族武装組織を代表する代表組織を結成することが発表された。この新組織は、NCCTと連邦平和構築活動委員会(UPWC)がこれまで議論していない重要な三点を含む全土停戦合意草案(NCA)の修正項目15項目を提出し、政府と連携して協議していく予定。重要な三項目というのは、少数民族組織全てを含めた停戦合意を目指すこと、証人として協定に含められる諸外国に関すること、そして調印に参加する人物に関することである。NCA草案に基本的には異論はないものの、一部の文言の使用が曖昧であるとして、NCCT内で意見の相違がみられた。さらに、RCSS、コーカン武装勢力、アラカン軍の3団体は、依然として中央政府と戦闘状態にあるため、NCCTに留まる必要がないという理由でNCCTからの脱退を表明した。NCCT側としては、これらの団体が停戦合意交渉からの離脱を避ける意味で、新たな代表団体を組織したともみられている。

新たな代表団体、「高等合同代表団」は、UPWC側と7月の第一週にタイのチェンマイにおいて会合を行なう予定。この会合では、この新組織をUPWC側が交渉相手として受け入れるかどうか、少数民族武装組織側の修正点を受諾するかどうかという点について協議する。

7Day Daily—
  No. 754, June 3, 2015
Democracy Today—
  Vol. 2, No. 144, June , 2015
Democracy Today—
  Vol. 2, No. 148, June 7, 2015
Democracy Today—
  Vol. 2, No. 150, June 9, 2015
Democracy Today— 
  Vol. 2, No. 165, June 24, 2015

4) コーカン武装勢力が、戦闘停止を宣言

6月10日に、コーカン地域での一方的な戦闘行為の停止を全国ミャンマー民主同盟軍(MNDAA)が宣言した。今回の宣言は、中緬国境地域の平和回復を望む中国政府からの強い要請があったこと、ミャンマー側の民主的な選挙が行なわれるようにという人々の意見、それぞれに応えるためのものであると説明された。この宣言は10日の12時から有効となった。今回のMNDAAの決定は、先に開催されたロキーラ会議にて少数民族勢力16の全団体が停戦合意のために署名する意向を示したことを考慮したためとみられている。他の少数民族勢力が停戦に合意し、残存する武力も十分でないことを考えると、自衛のために必要なことは交戦を続けることではないというミャンマー政府高官からの説明も発表された。戦闘停止の宣言には中国側の要請が影響したとみられる一方、以前にはコーカン地域での戦闘と中国政府は関係ないという発表もミャンマー国軍からなされていた。

今回のコーカン武装勢力側の決定について、ミャンマー政府は翌日に歓迎の意向を示した声明を発表し、最善の道は降伏であるという見解を示した。ただし、停戦したとはいえ、残存する武器を自衛のために保持していることから戦闘が完全に停止するのは容易なことではないという慎重な意見も国軍関係者から明らかにされている。また、中国の外務大臣からも今回の決定を歓迎するというコメントが発表された。今後、両者は地域住民と協力して、戦闘地域となった地域の秩序回復に共同で取り組むとみられている。

7Day Daily—
  No.762, June 12, 2015
  No.764, June 14, 2015
Democracy Today—
  Vol.2, No. 153, June 12, 2015

5) 中緬国境地域にて、中国軍が軍事演習を実施

6月2日からミャンマーとの国境付近において中国が軍事演習を開始した。今回の軍事演習は陸空軍合同によるものであり、ミャンマー側で国軍と武装勢力の衝突が続いているコーカン地域に近い雲南省の辺りで行なわれた。今回の軍事演習は、コーカン地域における戦闘との関連はないと中国人民解放軍(PLA)から発表されている。ミャンマー国軍側も、今回の軍事演習はミャンマーの治安を脅かすものではないと発表している。

国境沿いでの軍事訓練の目的は、兵士の訓練実施、敵の偵察、兵力の結集および準備、民衆の支援状況を調べるためであると、PLA司令官が説明した。1997年5月に、両国は国境地域の統制と連携に関する協定を締結しており、国境を越えた戦闘行為の禁止、国境付近で攻撃・爆破などの戦闘行為を行なう場合には、24時間前の事前通達が義務付けられている。今回の中国空軍、陸軍の軍事演習に関しては、6月1日にミャンマー側のラウッカイン地域に中国側の責任者がミャンマー側へ通達したと中国国防省が同日に発表している。軍事訓練の期間や参加人数の規模などは公表されていない。中国軍が訓練を行なっている地域は、ミャンマー国軍とコーカン武装グループであるMNDAAの交戦が続いている地域であり、中国領域側では、砲弾の着弾も二回生じた地域に近く、緊迫した状況が続いているなかでの、今回の中国側の軍事演習となった。

ミャンマー政府は、6月5日に懸念を表明した公式見解を中国政府に示し、ミャンマー側の懸念を考慮するように伝えた。

7Day Daily—
  No. 752, June 2, 2015
  No. 755, June 5, 2015
  No. 757, June 7, 2015
The Voice Daily—
  Vol. 3, No. 48, June 3, 2015

6) 難民として保護されたバングラデシュ人を本国へ送還

5月21日に海軍が救助した難民208名のうちバングラデシュ人として認められたベンガル人150名を6月8日に、両国国境付近からバングラデシュへ正式に送還した。救助されていた難民に対しては、事前にミャンマー政府とバングラデシュ領事館による取り調べが行なわれ、バングラデシュ側に家族・親類がいると確認をした後、在シットウェー・バングラデシュ領事も立会いのもとでバングラデシュへの送還の手続きが進められた。5月21日に救助され一時的に保護されている208名のうち、国民審査をうけている残りの者と、5月29日に救助された700名をミャンマーとバングラデシュの責任者が引き続き取り調べを行なう予定。取り調べ完了後には関係諸国へ早急に送り返すよう引き続き取り組むとミャンマー政府は発表している。ミャンマー側が「ベンガル人難民」とする者たちをラカイン州の難民キャンプにて受け入れていることについて、地元からの反対や安全を懸念する声が上がっている。住民代表のティントゥン氏は、「ベンガル人であるならラカインへ送るという論理が成り立つのかと(いう疑問が)人々から発せられている。(彼らが)どこの市民かということをラカインの者ではない。」とコメントし、この意見をヤカイン州知事に伝えた。

ミャンマー国内では、各地で抗議デモが行なわれた。6月3日にはパテインで難民がロヒンギャであるとする国際世論に対して、ヤンゴン管区・エーヤワディ管区の僧侶・市民ら1000名以上が抗議デモを行なった。「ミャンマーには135の民族しかおらず、ロヒンギャはその中に含まれていない。僧侶の意見を発するために集った」、「難民は早く出て行け」と声を上げた。また6月14日には、難民キャンプがあるラカイン州では、早急な送還を求める反対デモが行なわれた。住民らは、「ベンガル人の問題についてラカイン州を非難するな。NGOは真実を尊重しろ。ベンガル人の味方であるUNHCRは正しい側につけ。」などと抗議した。デモ参加者からは、「ベンガル人をラカイン州にて受け入れているため、平和だったラカイン州の秩序が乱されるのではないかと心配している」という意見がみられた。

この「ロヒンギャ」或いは「難民」問題について、6月初旬に政府、NLDそれぞれの見解が示された。6月1日に、NLDからの「難民問題」に関する声明も発表された。NLDおよびアウンサンスーチー氏がこの件について公式見解を表明するのは今回が初めてであり、先月にはチベットのダライ・ラマ高僧が沈黙を守る同氏に対する批判したという報道もあった。声明のなかでは、アセアンの他国を含む海域で生じた難民問題に関して難民の生存や人権問題に世界中が注目し憂慮していることを理解し、NLDとしても早急な解決を求めると発表された。この難民とされる者達の多数はベンガル人であり、なかにはミャンマーから出国した者も含まれると説明されている。問題となっているラカイン州では数年前から衝突が発生しており、人権問題として適切に対処していく必要があると述べられた。さらにラカイン州での衝突が再び生じることのないよう、民族衝突を解決できるよう対処していくとし、ミャンマーとバングラデシュの国境地域の平和、協定に基づいた友好関係、避難キャンプにおける十分な支援の確保、国籍の問題に関する早急な措置など、7つの項目について見解が示された。一方、ミャンマー連邦議会は6月3日に、国連のバンキムン事務総長と国連安全保障理事会に嘆願書を提出した。このなかで、本件についてミャンマー政府を公正に扱うよう要請し、国際社会からの同国に対する誤った意見が生じないよう求めた。さらに、この難民問題に関してミャンマー国内での民族紛争が加熱することのないよう、特別な配慮をするよう訴えた。

The Voice Daily—
  Vol. 3, No .49, June 4, 2015
7Day Daily—
  No. 752, June 2, 2015.
  No. 754 June, 4, 2015
Democracy Today—
  Vol. 2, No. 156, June 15, 2015
Myanmar Alin— 
  Vol. 54, No. 247, June 9, 2015

7) 憲法改正法案、議会審議へ。修正は否決

憲法改正法案の審議が今月始まり、ほとんどの修正案が否決された。同法案の審議は23日から25日にかけて行なわれ、議会での審議にさきがけて法案委員会の審議報告書が今月10日に提出されていた。同法案の最大の争点は、アウンサンスーチー氏が大統領になることを制限している条項第59条(f)と第436条である。報告書には上記2つを含む全60項目の修正箇所が含まれている。

議会では、軍人議員から前政権が起草した憲法を改正すべきではないという意見が出された。大統領および副大統領は国家を率いる人物であり、その親族に外国籍の者がいるとなれば外国人政権下になってしまうという反対意見が述べられた。なかには既に退役しているタンシュエ元将軍の意見を仰ぐべきだという軍人議員の発言もあり、この発言は大きく報道された。25日には、最終的な投票が行なわれ、争点となってきた第436条(f)と第59条の修正案はどちらも否決された。第59条は親族に外国籍を持つ者が大統領候補者となることを禁じたもので、たとえNLDが総選挙で勝利したとしてもアウンサンスーチー氏が大統領候補となることを妨げている。第436条は、憲法改正を行なう際には議員の75パーセント以上の信任が必要であると定めている。連邦議会では上下院ともに議員数全体の25パーセントが軍出身の議員から構成されており、この条項のために実質的な改憲は不可能とみられている。

今回の審議により、争点となっていた項目のうち改正が可決されたのは、文言を微調整した第59条(c)のみであり、第59条(f)は賛成票321で全体の55.06%により否決、第436条は賛成票388で全体の66.99%により否決された。

議会による投票後、アウンサンスーチー氏は記者会見を開いた。同氏は、今回の議会で憲法改正を達成できなかったということは、この国が非民主的であること以外のなにものでもないと述べた。また、憲法改正が達成できなかった件とNLDの選挙参加の是非は別個の問題であるとし、来たる総選挙で勝利し政権を奪取したのち真の民主国家を手に入れたいと意気込みを語り、支持者には落胆しないようにと呼びかけた。

7Day Daily—
  No. 766, June 16, 2015
  No. 769, June 19, 2015
Democracy Today— 
Vol. 2, No. 166, June 25, 2015
Myanmar Alin—
  Vol. 54, No. 264, June 26, 2015

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2008年憲法と憲法改正法案の内容(59条(f)と436条)

憲法改正において争点となっている条項、第59条(f)と第436条(a)(b)の条文は以下のとおり。

現行憲法

59条(f) (大統領と副大統領に必要な資格について)

 候補者自身、その両親、配偶者、子供、子供の配偶者のいずれかが、外国政府からの庇護を受けている者、外国政府の影響下にある者、外国の国民である者であってはならない。その人物が外国政府の影響下にある、あるいは、外国の国民であるとみなされる権利と庇護を享受する権利がある者であってはならない。

修正案

 候補者自身、その両親、配偶者、子供のいずれかが、外国政府からの庇護を受けている者、外国政府の影響下にある者、外国の国民である者であってはならない。その人物が外国政府の影響下にある、あるいは、外国の国民であるとみなされる権利と庇護を享受する権利がある者であってはならない。

現行憲法

436条(a)

 本憲法の第一章の第1条~48条、第二章の49条から56条、第三章の第59条、60条、第四章の第74条、109条、141条、161条、第五章の第200条、201条、248条、276条、第六章の第293条、294条、305条、314条、320条、第11章の410条から432条、第12章の第436条における規定事項を改正する必要がある場合、連邦議会の議員全体の75パーセント以上からの改正への賛成・承認を得たうえで、国民投票を実施し、有権者全体の過半数の賛成票によって改正される。

修正案

 本憲法の第一章の第1条~48条、第二章の、49条から56条、第三章の第59条、60条、第四章の第74条、109条、141条、161条、第5章の第200条、201条、248条、276条、第六章の第293条、294条、305条、314条、320条、第11章n410条から432条、第12章の第436条における決定事項を修正する必要がある場合、連邦議会に参加権利のある連邦議会議員全体の70パーセント以上の議員からの改正への賛成・承認を得たのちに、国民投票を実施し、投票者数全体の半数以上の信任によって改正される。

現行憲法

第436条(b)

条項(a)において述べられた規定事項以外の制定事項は、連邦議会議員全体の75パーセント以上の賛成票によって、改正することができる。

修正案

 条項(a)によって述べられている規定事項以外の条項を改正する必要がある場合、連邦議会に出席資格のある連邦議会議員のうち70パーセント以上の議員からの賛成票を受けることによって改正できる。

Myanmar Alin—
  Vol. 54, No. 250, June 12, 2015
Democracy Today—
  Vol. ,2, No.156 June 15, 2015

8) NLD中央委員会開催

6月20・21日に、第5回NLD中央執行委員会が開かれた。同委員会では、総選挙に向けて候補者選出作業の基本方針、有権者名簿が正しいものかどうか、そして公正かつ自由な選挙が実施されるかという点などについて議論が交わされ決議が下された。今回の会合は、総選挙前に開催される最後の同党中央執行委員会であったため、総選挙に関する議論が集中的に行なわれた。候補者選出作業は完了していないものの、同政党党員でなくとも、国家の発展のために活動できる人物がいた場合には同政党からの候補者として出馬させる意向があることをアウンサンスーチー氏が説明した。しかし候補者となる場合には、候補者およびその近親者の身元や自身の資産について明確に提示できることが条件となり、同党からの審査・調査をいつでも受けることができる、不正や賄賂疑惑のないクリーンな人物でなければならない。アウンサンスーチー氏は、同党から出馬して選挙を戦うということは、個人の勝利・成功のためでなく、国の発展のためそして民主主義達成のために活動するという考えがなくてはならないと述べた。その後の記者会見において、一部で噂されている、憲法第59条(f)の改正を達成できなければ選挙に参加しないという決定はなされていないとスポークスマンのニャンウィン氏から発表された。同政党が選挙に参加するか否かは、選挙管理委員会による選挙実施時期の正式な発表を待ってから公表される見通し。NLD中央執行委員会の会合は半年に一度開催されており、次回は総選挙後の12月を予定している。

7Day Daily—
  No. 772, June 22, 2015
Daily Eleven—
  June 21, 2015
Democracy Today—
  Vol. 2, No. 162, June 21, 2015
  Vol. 2, No. 163. June 22, 2015

9) 国民教育法改正修正案、議会にて可決

国民教育法改正案について、連邦議会は修正案を可決し、「学生連合」という文言を「学生代表」に代えることを可決したと報道された。 18日から2日間にわたって、国民代表院・民族代表院で意見が食い違っていた項目を含む全修正箇所を審議し、学生団体を含む教育4者会議にて合意した11項目については最低限可決したと法案委員会委員長キンマウンイーが述べた。

上記の修正の理由については、大学ごとに学生連合の組織結成権がなければならないという決定はこの法案に含まれていないため、どの学生組織に特別な権利を与えるかという問題が起こらないよう、「学生連合代表」という文言を「学生代表」と修正することになったとNLDの議員が述べた。学生連合代表者の学生は、学生連合の組織権を与えるよう要請し、抗議デモを行なってきた。

国民教育法案審議に続き、関連法の改正に関しても審議が開始された。国民教育法は、教育に関する法律全ての基本となるものであるため、改正された国民教育法との齟齬が生じないよう順次改正を施す必要があると高等教育局関係者から説明がなされている。高等教育法は、1964年の成立後1973年に改正されて以来、1983年、1989年と何度も改正されて現行の内容に至っている。

議会での可決後、6月29日には同法改正に関して4者会議が実施され、学生団体側と教育識者から可決された修正案に対して反対意見が表明された。学生代表側は、「学生連合」という文言の使用のほか、五年以内に国家予算全体の20パーセントを教育予算に充てるよう求めている。修正案では、「学生連合」は「学生代表」と変更され、「五年以内に」と期間に言及した文言が削除されている。学生側は、議会は学生の意向を考慮して検討していないと批判している。

7Day Daily—
  No. 769, June 19, 2015
  No. 780, June 30, 2015
Democracy Today—
  Vol. 2, No.162, June 21, 2015

藤村瞳
APBI Monitor, June 2015, Myanmar

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