December 2014: Myanmar

1) 民族宗教保護法案が議会に提出される
2) Par Gyiの死亡、銃弾で撃たれたが、拷問はなかった、と人権委
3) 軍の少佐が憲法改正キャンペーンに賛同の署名し、禁固2年の判決
4) ヘッドホン着用の釈迦のポスター作製、ニュージーランド人ら逮捕
5) 少数民族武装グループと国軍との衝突相次ぐ
6) レパダウン銅山開発で、警護の警察機動隊が発砲し1人死亡

1) 民族宗教保護法案が議会に提出される

仏教徒の女性と他の宗教の男性との婚姻を制限するなどの法案が議会に提出されたことが明らかになった。大統領府のZaw Htay局長が1日、ソーシャルメディアに投稿した。法案は1月に開かれる議会で議論される。

提出されたのは、民族宗教保護法案として知られる異教徒との結婚に伴う改宗、異教徒間の婚姻、人口政策、一夫一妻制の4法案。

12月3日に公表された異教徒間の婚姻に関する法案は、仏教徒の女性と他の宗教の男性が婚姻する際には、地方当局への申請が必要で、女性が20歳未満の場合、両親への申し出も必要となる。そして、婚約が公に告知され、反対意見がなければ結婚できる。違反した場合は、2年間、投獄される。

改宗法案についても、改宗する場合は関係当局の許可を数多く得なければならない、とされている。

Zaw Htay局長の書き込みによると、改宗法案と人口政策法案は11月24日に、異教徒間の婚姻と一夫一妻制に関する法案は11月26日にそれぞれ提出された。

法案は、イスラム排斥運動と関わりのある仏教僧のWirathu師を中心とする宗教民族保護協会が2013年に提案していた。

法案に対し、女性活動家や少数民族、仏教以外の宗教グループなどから、信仰の自由や、女性の宗教や婚姻相手を選ぶ権利を妨げると批判の声が上がっている。

http://www.irrawaddy.org/burma/protection-laws-submitted-burmas-parliament.html
http://archive-3.mizzima.com/mizzima-news/myanmar/item/15499-myanmar-parliament-to-debate-controversial-religion-laws

2) Par Gyiの死亡、銃弾で撃たれたが、拷問はなかった、と人権委

軍とカレン民族武装勢力との紛争を取材していたフリージャーナリスト、Aung Kyaw Naing氏(通称・Par Gyi)が軍によって拘束され、殺害された事件で、ミャンマー国家人権委員会は、2日、調査結果をテインセイン大統領に提出した。

報告書では、Aung Kyaw Naing氏は、銃で撃たれて死亡したが、拷問を示す証拠はなかったと結論づけている。その上で、民事裁判での審議を提案している。

調査を指揮した人権委員会のSitt Myaing副委員長は、「47人の証人に90回のインタビューを行い、1か月かけて調査結果をまとめた」と述べた。

報告書について、Aung Kyaw Naing氏の妻・Than Darさんは、「拷問がなかったというのは信じられない。報告書は、誰が殺害したのかも示していない」と述べた。

Than Darさんは10日、「調査は包括的ではなく、公正でもない」と非難の声明を発表。独立した機関による再調査を呼びかけた。

http://www.dvb.no/news/par-gyi-shot-to-death-but-not-tortured-mnhrc-burma-myanmar/46293
http://archive-3.mizzima.com/mizzima-news/myanmar/item/15467-ko-par-gyi-case-should-be-heard-by-civil-court
http://www.dvb.no/news/par-gyis-widow-slams-state-inquiry-into-his-death-burma-myanmar/46431
http://www.dvb.no/news/par-gyi-killing-lawyers-demand-official-investigation-burma-myanmar/46672
http://www.irrawaddy.org/burma/lawyer-raps-report-burma-journalists-death-demands-new-inquiry.html
http://www.irrawaddy.org/interview

Myanmar map (Wikimedia commons)

Myanmar map (Wikimedia commons)

 

3) 軍の少佐が憲法改正キャンペーンに賛同の署名し、禁固2年の判決

NLDが5月から7月まで行った憲法436条の改正を求めるキャンペーンで、賛同する署名をしたとされる軍の技術者・Kyar Swar Win少佐が5日、命令不服従と規律違反の罪で、軍事裁判所から禁固2年の判決を言い渡された。Kyar Swar Win少佐の妻が明らかにした。

軍関係者によると、軍は、少佐が職務を放棄したため、としたが、憲法改正のキャンペーンで署名している写真が出回った後に逮捕されていることから、実際は、署名したことで罪に問われたという。

この件について、軍は発表しておらず、イエトゥ情報相もコメントを出していない。

http://www.irrawaddy.org/burma/myanmar-officer-jailed-backing-smaller-army-role-politics.html
http://archive-3.mizzima.com/mizzima-news/myanmar/item/15669-major-jailed-for-supporting-reduced-role-of-myanmar-military
http://www.dvb.no/news/army-officer-jailed-for-signing-article-436-petition-burma-myanmar/46353
http://www.irrawaddy.org/burma/family-worried-soldier-held-signing-nld-charter-petition.html

4) ヘッドホン着用の釈迦のポスター作製、ニュージーランド人ら逮捕

釈迦がヘッドホンを着けた姿の画像をFacebookに掲載するなどしたとして10日、ニュージーランド人らが、宗教侮辱の容疑で逮捕、起訴された。

逮捕されたのは、ヤンゴン・バハン地区に新しくオープンしたナイトクラブ「Vガストロ」のニュージーランド人総支配人、ミャンマー人のオーナーとマネージャーの計3人。店の宣伝のために、ヘッドホンを着けた釈迦の絵をFacebookに掲載したところ、批判が沸き起こり、激怒した市民らは抗議を行った。

国際人権団体のアムネスティ・インターナショナルは19日、「国際的な人権法や基準では、表現の自由はある程度制限されている。しかし、今回のケースは、その基準よりも厳しく人権侵害にあたる」とし、3人を無条件で速やかに釈放するよう呼びかけた。

http://www.irrawaddy.org/burma/police-arrest-new-zealander-2-burmese-promotion-insulting-buddhism.html
http://www.dvb.no/news/nz-bar-manager-arrested-over-buddha-insult-storm-burma-myanmar/46442
http://archive-3.mizzima.com/mizzima-news/myanmar/item/15732-vgastro-bar-manager-faces-court-hearing-over-buddha-imagery
http://www.dvb.no/news/amnesty-int-calls-for-release-of-buddha-bar-trio-burma-myanmar-yangon/46689
http://www.dvb.no/news/buddha-bar-storm-lawyers-refuse-to-represent-blackwood-burma-myanmar/46497
http://www.dvb.no/news/buddha-bar-storm-charges-upheld-trial-set-for-26-dec-burma-myanmar/46663

5) 少数民族武装グループと国軍との衝突相次ぐ

北部シャン州のムセ地区で10日、KIA(カチン独立軍)、TNLA(タアン民族解放軍)、とコーカン族の武装勢力・MMDAA(ミャンマー民族民主同盟軍)の、3つの少数民族連合部隊と国軍との衝突が起こった。TNLAのスポークスマン・Mai Aik Kyaw氏は、政府軍がTNLAの支配地域に侵入したため交戦になった、と述べた。

これに先立ち、TNLAと国軍の間では、8日と9日にも衝突が起こっていた。

TNLAによると、12月初め以来、TNLAと国軍は少なくとも7回交戦したという。

一方、国営紙「Global New Light of Myanmar」は15日、ミャンマー東部で武装グループと国軍が交戦、少なくとも国軍兵士7人が死亡、20人が負傷したと伝えた。

報道によると、衝突があったのは、10日。中国国境近くのシャン州北部のKunlongという町で、少数民族グループが国軍の隊列を待ち伏せ攻撃したという。

「Global New Light of Myanmar」は、「政府が和解を進めているにもかかわらず、Kokang族が国軍の施設や隊列に攻撃を仕掛けた。軍は地域住民とともに協力し効果的に反撃した」と報じている。

TNLAは、Kunlongでの衝突については、民族連合部隊の関与を否定している。

http://www.dvb.no/news/kachin-palaung-kokang-forces-clash-govt-units-muse/46455
http://www.irrawaddy.org/burma/clashes-kill-7-burmese-soldiers-eastern-burma.html

6) レパダウン銅山開発で、警護の警察機動隊が発砲し1人死亡

ミャンマー北部ザガイン地域のモンユワで進められているレパダウン銅山開発を巡り、22日、企業側の要請で警護にあたっていた警察機動隊と農民が衝突、警察機動隊が発砲した。56歳の女性が撃たれ死亡したほか、少なくとも10人が負傷した。

警官と住民の衝突は、これに先立つ13日にも発生。その際にも警官がゴム弾を放ち、2人がけがをしている。

22日の衝突で死亡したのは、Mogyopyin村のKhin Winさん。

住民らによると、Khin Winさんを含む約60人は、午前10時ごろ、企業側がまだ法的に取得していない土地に、フェンスを取り付けようとしたのを阻止しようとした。

数時間のにらみ合いの後、警察側が住民に「立ち退かなければ発砲する」と警告。反発した住民らが投石やパチンコで攻撃したため、午後3時ごろ警察側が発砲。Khin Winさんは頭に銃弾を受け死亡した。サガイン警察によると、少なくとも警官2人も負傷したという。

衝突は翌日の23日も続き、警察がゴム弾を発射し、2人が負傷した。

レパダウン開発は、中国企業のワンバオとミャンマーエコノミックホールディングス社との合弁事業で、2012年にも抗議活動を行っていた反対派住民らを警察が攻撃。僧侶を含む多数の住民が白リン弾によると思われるやけどを負うなどした。

その後、計画は一時中断されたが、2013年、アウンサンスーチー氏が委員長を務めた調査委員会が発砲事件や計画の内容などを調査。最終的に計画続行の結論を出した。

Khin Winさんの死亡について、遺族はサリンジ地区警察に調査を求める要望書を提出。警察も訴えを受理した。

一方、NLDは24日、政府に対し、正確な調査と法に基づく迅速な対応を促す声明を発表。2013年に調査委が提案した条件に従わず、騒動の鎮め方に配慮がないため、市民に危害が及んだとしている。

また、国際人権団体も警察機動隊の対応を批判。アムネスティ・インターナショナルは、問題が解決するまでのプロジェクト中断と事件の調査を求めた。

事件後、反発を強めた住民たちは、開発予定地に闘争のためのテントを設置したほか、企業が取り付けたフェンスを取り除くなどして抵抗。住民らを支援してきたグループなどもマンダレーやヤンゴンの中国大使館前などで、開発中止を求めるデモを行った。

http://www.irrawaddy.org/burma/police-kill-villager-copper-mine-standoff.html
http://www.dvb.no/news/riot-police-open-fire-latpadaung-protestors/46803
http://www.dvb.no/news/two-more-injured-at-latpadaung-as-police-fire-rubber-bullets-burma-myanmar/46820
http://www.dvb.no/news/two-injured-latpadaung-protestors-clash-police/46509
http://www.dvb.no/news/latpadaung-khin-wins-family-demand-justice-burma-myanmar/46884
http://www.dvb.no/news/amnesty-hrw-slam-deadly-use-of-force-at-latpadaung-burma-myanmar/46860
http://www.irrawaddy.org/burma/protests-continue-letpadaung-mine-site.html
http://www.irrawaddy.org/multimedia-burma/protests-rangoon-letpadaung-shooting.html
http://archive-3.mizzima.com/mizzima-news/latpadaung/item/16388-mine-protestors-clash-with-police-at-chinese-embassy
http://www.dvb.no/news/mandalay-protestors-call-for-justice-in-latpadaung-myanmar/46953

山本 一恵 
APBI Monitor, November 2014, Myanmar

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