August 2015

1) 下院本会議、定足数不足で審議再開遅れる
2) MILFムラド議長「次期政権でも合意履行を訴える」
3) 基本法案代案、上院本会議に上程
4) スル州で拉致の沿岸警備隊員2人を無事に保護
5) サンボアンガ市で爆発。子供3人が負傷
6) BTCの活動停止時期を延期

1) 下院本会議、定足数不足で審議再開遅れる

 2016年にムスリム・ミンダナオ自治地域(ARMM)に替わる新自治政府バンサモロを創設する「バンサモロ基本法案」の下院本会議審議が遅れている。当初4日に再開予定だったが、出席議員の数が定足数を満たしておらず、2日連続で審議延期となった。

 国会は10月2日から11月2日まで休会のため、年内に残された審議日数は37日(6日時点)。アキノ政権は法律の年内成立を目指している。

2) MILFムラド議長「次期政権でも合意履行を訴える」

 反政府武装勢力モロイスラム解放戦線(MILF)のムラド議長は5日、2016年6月に任期終了を迎えるアキノ現政権下で包括的和平合意が履行できなかった場合、次期政権に合意内容の履行を引き続き訴えていくと述べた。

 ミンダニュースの取材に答えた同議長は、「アキノ大統領は枠組合意、包括的和平合意内容に沿った基本法案の可決を実現させる力をまだ持っていると思う」と期待を表明。コラソン・アキノ大統領(1986〜1992年)以降の歴代大統領は、後に対MILF全面戦争を宣言したエストラダ大統領も含め、全員が和平交渉を再開した点に触れ、「(2016年5月の次期統一選で)誰が大統領になっても、和平プロセスと合意を破棄するとは思えない。その点は楽観視している」との見方を示した。

 一方で、①合意内容に沿った基本法が成立し、最終和平に向けたロードマップが予定通り履行される、②現政権下で基本法は成立しなかった場合、「プランB」に移る、③基本法は成立したが、合意内容に反しており、受け入れられない場合、「新たなプラン」に移る、の三つのシナリオを考えていると説明。③が「最も複雑だ」としな がら、「プランB」の具体的な内容は明かさなかった。

3) 基本法案代案、上院本会議に上程

 上院地方自治委員会のマルコス委員長が起草したバンサモロ基本法案の上院版代替案が、12日までに本会議に上程された。同委員長は同日、起草者として委員会報告と代替案について演説し、憲法で定められた国防、国内外の安全保障、外交、金融政策、財務管理など国家としての責務と権限、国益を維持する内容になったと述べた。

 デレス大統領顧問(和平問題担当)、フェレール政府側交渉団長、MILFのイクバル交渉団長が同委員長の演説を傍聴した。

 ドリロン上院議長は、10月2日の休会入り前までの本会議可決を目指すと述べた一方、「全議員に質問の機会が与えられるよう、審議の期限は設けない」方針を示した。

 マルコス委員長は20日には、記者団に対し、バンサモロ移行委員会(BTC、イクバル委員長)と大統領府が提出した原案が上・下両院本会議を通過する可能性はないと断定した。MILFは、原案から修正・変更が加わった下院の修正案とマルコス委員長が提出予定の代替案について、「政府との包括的和平合意の内容に反する」として拒否している。

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4) スル州で拉致の沿岸警備隊員2人を無事に保護

 スル州インダナン町で20日午前、イスラム武装グループ、アブサヤフとみられる武装集団に拉致されたフィリピン沿岸警備隊(PCG)の隊員2人が約3カ月半ぶりに国軍部隊に無事保護された。

 国軍は人質救出作戦を約10日前から開始。19日午後5時半ごろ、同町ブアンザでアブサヤフ武装集団約100人と遭遇し、銃撃戦になった、隊員2人は銃撃戦の最中にすきを見て脱出したという。国軍部隊は20日朝、山中に隠れていた隊員2人を発見し、保護した。2人に大きなけがはなかった。

 2人によると、マレーシア人、韓国人を含む少なくとも4人が依然アブサヤフに拘束されているという。

 隊員2人は、北サンボアンガ州ダピタン市のアリグアイ島で、今年5月に村議長とともに拉致された。アブサヤフ側は拉致後、「身代金1億ペソの支払いに応じなければ3人の首を切断して殺害する」と脅迫する動画をインターネット上に公開。スル州マインブン町の路上で8月11日、首を切断された議長の遺体が発見された。

5) サンボアンガ市で爆発。子供3人が負傷

 サンボアンガ市アヤラ村の路上で26日午前6時半ごろ、手製爆弾が爆発し、通学中だった6〜9歳の子供3人が負傷した。3人は近くの病院に搬送された。

 爆発現場はアヤラ村議長の自宅の近く。2013年にも現場付近で爆発事件が発生しており、国家警察サンボアンガ署は同議長を狙った犯行とみて調べている。

6) BTCの活動停止時期を延期

 フィリピン政府とMILFの和平枠組み合意に基づき、2012年12月に新設されたBTCについてアキノ大統領は30日までに、BTCの活動停止時期を延期する行政命令(Executive Order)第187号を出した。

 BTCの活動停止時期は当初、「バンサモロ基本法の成立時」とされていたが、「バンサモロ基本法の承認時」に変更された。

 BTCの一部機能は、同基本法発効後に設置される暫定統治機構バンサモロ移行局(BTA)に引き継がれるが、基本法成立後は住民投票による批准を経て発効の運びとなり、発効が遅れれば、BTCの活動停止からBTAの設置まで「空白期間」が生じる。

 今回の変更は、この空白をなくし、BTCからBTAへの引き継ぎを円滑にするため。

註:上記内容は主に以下の現地報道機関のウェブサイトの記事を参考に、筆者が編集した。

日刊まにら新聞(http://www.manila-shimbun.com/
MindaNews(http://www.mindanews.com/) 
Philippine Daily Inquirer(http://www.inquirer.net/
Philippine Star(http://www.philstar.com/
ABS-CBN News(http://www.abs-cbnnews.com/
GMA News Online(http://www.gmanetwork.com/news/
Manila Bulletin(http://www.mb.com.ph/
Rappler (http://www.rappler.com/)
The Manila Times (http://www.manilatimes.net/)
Business World (http://www.bworldonline.com/index.php)

フィリピン在住 大矢南
Mindanao, August 2015

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