June 2013: Myanmar

1)  イギリス軍高官がミャンマー訪問
2)  オルブライト元米国務長官ミャンマー訪問
3)  テイン・セイン大統領が政治囚釈放を表明
4)  世界経済フォーラム東アジア会議開催
5)  国内での宗教紛争がらみか、マレーシアで労働者殺される
6)  ロヒンギャ族の産児制限、政府が見直し言及
7)  シュエマン下院議長が次期大統領就任に意欲示す
8)  カレンニー族と政府が監視委員会設立で合意
9)『TIME』誌発禁処分
10)Wirathu師が仏教徒とイスラム教徒との婚姻制限の法制化を提案
11)少数民族政党が次期総選挙前に統一政党結成へ
12)アウンサンスーチー氏と少数民族政党が憲法改正で協力へ

1)イギリス軍高官がミャンマー訪問

6月3日、イギリスのDavid Richards大将が2日間の日程でミャンマー訪問。西側諸国の軍高官訪問は、2010年のミャンマーの民政移管後初めて。同大将は、ミン・アウン・フライン国軍最高司令官、テイン・セイン大統領らと会談。2国間の友好関係促進とミャンマーの和平プロセスについて話し合った。Richards大将は、アウン・サン・スー・チー氏とも会談した。

http://www.irrawaddy.org/archives/36380
http://www.mizzima.com/news/myanmar/9463-myanmar-discusses-military-ties-with-brits

2)オルブライト元米国務長官ミャンマー訪問

 アメリカの元国務長官で、NDI(全米民主国際研究所)の総裁を務めるMadeleine Albright氏が、5月31日から5日間の日程で訪問。滞在中、Albright氏は、アウン・サン・スー・チー氏のほか、少数民族指導者、政府関係者や市民組織代表らと会談、ミャンマーの民主化促進を支援する考えを表明した。

 Albright氏はまた、ヤンゴン大学でスピーチを行い、ミャンマー国内の民主化へ向けた改革について賛辞を贈る一方、仏教徒とイスラム教徒の衝突にも触れ、「憂慮すべき出来事」と懸念を表明した。

http://www.irrawaddy.org/archives/36476

3)テイン・セイン大統領が政治囚釈放を表明

 6月4日、テイン・セイン大統領はラジオ演説で、「全ての良心の囚人はまもなく釈放される」と述べた。

 2011年3月、にテイン・セイン氏が大統領に就任して以来、数百人の政治囚が釈放されている。しかし、活動家らによると、依然として約200人が投獄されたままとなっている。

http://www.mizzima.com/news/myanmar/9469-president-promises-to-free-all-political-prisoners

 16日には、政府の刑を見直す委員会のメンバーでもあるAAPP(政治囚支援協会)のBo Kyi氏が、近く155人の活動家が釈放されるとの見方を示した。

http://www.mizzima.com/news-91481/prisoner-watch/9545-155-remaining-political-prisoners-may-soon-be-released-says-campaigner
http://www.dvb.no/news/scrutiny-committee-forwards-list-of-political-prisoners-to-president%e2%80%99s-office/28839

4)世界経済フォーラム東アジア会議開催

 世界経済フォーラムの東アジア会議が5日から7日まで、首都ネーピードーで開催され、世界55か国、約900人のビジネスリーダーや各国政府関係者らが集まった。会議では、テイン・セイン大統領が、ミャンマーへの投資を呼びかけた。アウン・サン・スー・チー氏も出席、大統領就任への意欲示し、憲法改定を呼びかけたほか、少数民族地域への投資を訴えた。

http://www.mizzima.com/component/content/article/100-wef/9475-world-economic-forum-kicks-off-in-naypyitaw
http://www.mizzima.com/business/investment/9492-thein-sein-calls-for-increased-investment-in-myanmar
http://www.mizzima.com/news-91481/prisoner-watch/9486-military-should-have-special-place-in-hearts-of-people-suu-kyi
http://www.mizzima.com/news-91481/prisoner-watch/9494-suu-kyi-i-am-not-a-political-hostage

5)国内での宗教紛争がらみか、マレーシアで労働者殺される

 6月3日、ミャンマー国営テレビは、在マレーシア・ミャンマー大使館の話として、5月30日から31日にかけ、マレーシア・クアラルンプール郊外で、労働者が暴漢に襲われ、1人が死亡、2人が負傷したと伝えた。ミャンマー国内での宗教衝突が関係しているとの見方がある。

http://www.mizzima.com/news/regional/9458-one-myanmar-killed-2-injured-in-malaysian-gang-attacks

 その後も同様の事件が相次いだことから、11日、ミャンマー政府は、事件の調査などのため、政府関係者をマレーシアに派遣。13日には、労働省がマレーシアへの労働者派遣を停止するよう仲介業者に通告した

また、16日には、ミャンマー入国管理局の副局長がマレーシアに滞在するミャンマー人について、ミャンマー人であることが証明されればパスポートを所持していなくても帰国できるとの見解を示した。これらを背景に13日、ミャンマー国営航空は12日から、マレーシアからの帰国労働者を対象に片道運賃を半額にした。これを受けて、15日には167人の労働者が帰国、その後も帰国者が相次いだ。

http://www.irrawaddy.org/archives/36612
http://elevenmyanmar.com/national/2475-government-delegation-to-investigate-malaysia-killings
http://www.dvb.no/news/burmese-delegation-arrives-in-kl-as-relatives-fret-over-recent-violence/28755
http://elevenmyanmar.com/national/2499-myanmar-suspends-sending-workers-to-malaysia
http://www.mizzima.com/news/regional/9543-migrants-without-passports-can-come-home-too-says-immigration-chief
http://elevenmyanmar.com/national/2506-167-myanmar-workers-arrive-home-from-malaysia

6)ロヒンギャ族の産児制限、政府が見直し言及

ミャンマー政府は3日、国連などからの批判を受け、ラカイン州の一部地域で改めて適用が確認されたロヒンギャ族への産児制限措置について、調査する方針を示した。大統領府報道官は「中央政府はその措置について発表していない。調査する」と述べた。また、「この地域では人口が急増し、社会的、経済的な問題が生じている」とも語った。

http://www.dvb.no/news/govt-to-examine-two-child-policy-targeting-rohingya/28598

 

7)シュエマン下院議長が次期大統領就任に意欲示す

シュエマン下院議長は7日、Irrawaddyに対し、次期大統領就任に意欲を示した。その後、ワシントンを訪れた同議長は、Radio Free Asiaなどのインタビューに対しても同様に述べた。Radio Free Asiaのインタビューの中で、同議長はまた、現憲法に関して、まもなく国会で再検討する委員会が組織され、その勧告に従うことになるとの見通しを示した上で、委員会がアウン・サン・スー・チー氏が大統領選に出馬できるような可能性も含めて提案すれば、国会はそれを支持するだろうと語った。

http://www.irrawaddy.org/archives/36842
http://www.mizzima.com/news-91481/prisoner-watch/9514-shwe-mann-declares-presidential-bid

 
8)カレンニー族と政府が監視委員会設立で合意

 ミャンマーの少数民族武装勢力カレンニー民族進歩党(KNPP)と政府代表団は20日、10人のメンバーからなる和平プロセス共同監視委員会の設立など8項目で合意した。今後も交渉を継続するとしている。

国営紙New Light of Myanmarによると、このほか、

・(KNPPの拠点である)カヤー州で大規模なビジネスプロジェクトを行う場合の透明性確保
・住民が再び帰還するための、地域に埋設されている地雷除去

などで合意した。

 交渉には、アメリカ大使館の職員もオブザーバーとして出席した。

http://www.irrawaddy.org/archives/38006
http://elevenmyanmar.com/politics/2553-us-to-support-myanmar-s-peace-talks
http://www.mizzima.com/news/ethnic-issues/9573-karennis-agree-8-point-plan-with-government
http://www.dvb.no/news/politics-news/karenni-rebels-and-govt-progress-on-peace-talks/28877 

9)『TIME』誌発禁処分

 政府は25日、(仏教徒とイスラム教徒の)「さらなる衝突を防ぐため」ためなどとして、アメリカの雑誌「TIME」アジア版7月1日号を発禁処分にした。同号では、反イスラム運動を主導している仏教僧・Wirathu師を取り上げ、表紙には「仏教徒テロの顔」として、同師の顔を掲載している。

これに先立ちテイン・セイン大統領は23日夜、「TIME」誌の記事に対し、「数千年続いてきミャンマーの仏教について、国際社会に誤解を与える」との声明を発表。大統領府のYe Htut報道官は、「政府はWirathu師の運動に味方するものではない。すべての宗教の自由は、憲法の下で保障されている」とも話した。

Wirathu師は「969運動」と呼ばれる反イスラム運動を提唱。仏教徒に対し、イスラム教徒の商店を利用しないよう呼びかけている。2003年には、中部マンダレーで起こった反イスラム運動を煽ったとして、25年の刑を受けて投獄され、2012年1月、恩赦で釈放された。「ビルマのビンラーディン」との異名をとり、最近各地で発生している一連の仏教徒とイスラム教徒の衝突を扇動しているとの指摘もある。

http://www.irrawaddy.org/archives/38374
http://www.dvb.no/news/politics-news/burma-president-backs-anti-muslim-%e2%80%98hate-preacher%e2%80%99-wirathu/28955
http://www.mizzima.com/news/myanmar/9579-myanmar-slams-time-cover-of-buddhist-terrorist
http://www.irrawaddy.org/archives/38575
http://www.dvb.no/news/politics-news/burma-bans-time-magazine%e2%80%99s-buddhist-terror-cover-story/28973
http://www.mizzima.com/news/myanmar/9586-time-cover-banned-in-myanmar 

10)Wirathu師が仏教徒とイスラム教徒との婚姻制限の法制化を提案

Wirathu師は、仏教徒の女性とイスラム教徒の男性との婚姻関係について制限するための法案制定へ向けて活動を始めた。草案では、「仏教徒の女性とイスラム教徒の男性が結婚する場合、両親と地元当局の許可を得る」ことや「仏教徒の女性とイスラム教徒の男性が結婚する場合は、男性が仏教徒に改宗する」などとしている。同師は、13日から2日間に渡ってヤンゴン郊外の寺院で開かれた僧侶の集会で初めてこの草案を提出したが、とりあげられなかった。そのため、同師は、27日にヤンゴン郊外のインセインで開かれた別の僧侶の集会で、再び提案。1500人以上の僧侶が集まった会合では、「制定に向けて後押しをする」こととなった。国会に提出するにあたり、国民からも署名を集めることになった。

一方、この草案については、アウン・サン・スー・チー氏や他の女性グループからは異論の声が上がっている。

http://www.mizzima.com/news/myanmar/9533-monks-propose-restricting-interfaith-marriages
http://www.irrawaddy.org/archives/37685
http://www.mizzima.com/news/myanmar/9567-suu-kyi-speaks-out-on-interfaith-marriage-issue
http://www.irrawaddy.org/archives/38445
http://www.irrawaddy.org/archives/38832 

11)少数民族政党が次期総選挙前に統一政党結成へ

モン、チン、ワなど少数民族同胞政党連合(NBF)に所属する15政党が11日、シャン州タウンジーで会合を開き、2015年の総選挙前に統一政党(FUP)を結成することで合意した。

 個々の政党では、現与党のUSDP(連邦団結発展党)や、アウン・サン・スー・チー氏が党首を務めるNLD(国民民主連盟)のような大政党の間で議席を確保することが困難と判断、少数民族の権利を守るためとしている。

http://www.irrawaddy.org/archives/37646
http://elevenmyanmar.com/politics/2480-myanmar-ethnic-federation-to-establish-federal-union-party
http://www.rfa.org/english/news/myanmar/party-06112013190735.html?searchterm=15 

12)アウンサンスーチー氏と少数民族政党が憲法改正で協力へ

国民民主連盟党首のアウンサンスーチー氏は18日、自宅で統一民族同盟(UNA)所属の5つの少数民族政党代表者と会談し、憲法改正や連邦制度導入をめざし連携することで一致した。憲法については、特に、25パーセントの議席を持つ軍の関与についてどのように改正するかを話し合ったという。

http://elevenmyanmar.com/politics/2534-suu-kyi-discusses-federal-union-with-ethnic-leaders
http://www.irrawaddy.org/archives/37767
http://www.mizzima.com/news-91481/prisoner-watch/9559-nld-ethnic-parties-unite-in-push-for-constitutional-reform-before-2015-election

 

註:上記内容は、下記ミャンマーニュースWEBサイトのほか、随時、日本のメディア、ミャンマー関係団体等のサイトも参考に、筆者がまとめた。

文中には主なリンク先のみ挿入した。

Democratic voice of Burma(http://english.dvb.no/
The Irrawady (http://www.irrawaddy.org/)
Mizzima (http://www.mizzima.com/index.php)
Eleven (http://elevenmyanmar.com/)
BBC(Burmese) (http://www.bbc.co.uk/burmese/burma/)
VOA(Burmese) (http://burmese.voanews.com/)
RFA(Burmese) (http://www.rfa.org/burmese/)

モニター:山本一恵(ミャンマー在住)
June 2013

In cooperation with 協力:Myat Thu

P'spod_Logo_small